コントラバスという楽器の特徴、音色の特徴を教えてください。
コントラバスは、低音が魅力のとても大きな楽器で、オーケストラではメロディ楽器を支える「縁の下の力持ち」です。低音部分だけに目を向けられがちですが、1m近くもある長い指板を使って出る音域は意外に広く、高音域から低音域まで自由自在に出すことができます。そこに、大きなボディを活かした豊かな響きが合わさると、たちまちソロ楽器に変貌します。
今回のプログラムの聴きどころを教えてください。
今回は、コントラバスの魅力をより知っていただくために違った方向性の楽曲でプログラムを組みました。1つは、ベートーヴェン「ホルンソナタ」やシューマン「アダージョとアレグロ」といった有名な楽曲で、コントラバス以外でも様々な楽器で演奏されています。そして、コントラバスのオリジナル楽曲から、フリーバ「無伴奏コントラバスのための古い様式による組曲」とボッテジーニ「カプリッチオ・ディ・ブラヴ―ラ」を演奏いたします。「カプリッチオ・ディ・ブラヴ―ラ」は、演奏するのに高度な技術が必要で、なかなか人前で演奏することができませんでした。昨年の秋吉台音楽コンクールで演奏することができ、楽器を弾きながらとても感動したことを今でも覚えています。今では、リサイタルやコンクールなど事あるごとに選曲していて、今の自分の魅力を最大限に出せる曲だと思っています。
ご来場の皆様へのメッセージをお願いします!
はじめまして、十河七海と申します。このたび、岩国でリサイタルを開催させていただくことになりました。中学吹奏楽部でコントラバスに決まったとき、私は、地味で目立たない楽器にあまり魅力を感じることができませんでした。しかし、ある日、コントラバスソロを聴き、その音色や超絶技巧に衝撃を受けました。それから15年、私は今もコントラバスとともにいます。山口県でのリサイタルは初めて、岩国は初めて訪れる街ですので、大変楽しみにしております。寒い時期ですが、ぜひ、コントラバスの温かな音色を聴きにいらしてください。