アメリカ海兵隊軍楽隊は、1798年の合衆国議会にて創立が制定された、アメリカ最古のプロの音楽団体であり、アメリカ合衆国大統領と海兵隊長へ音楽を提供するという、唯一無二のミッションを持つ。1801年の新年、第2代大統領ジョン・アダムズに招かれ、当時建築中であったホワイトハウスでのデビューを果たした。同年3月、トーマス・ジェファーソンの大統領就任式にて演奏を披露し、以来、すべての大統領の就任式にて演奏をしてきた。
自身も優秀な音楽家であったジェファーソンは海兵隊軍楽隊を高く評価し、ジェファーソンによって、President’s Own(アメリカ大統領直属)の称号が与えられた。
公式晩餐会や国賓の来日、国家重要行事やレセプションなど、ホワイトハウスでの演奏は、年間約200回にのぼる。ホワイトハウスにおいては様々な場面で多様な音楽が求められるため、高い柔軟性と多才さが要求されるメンバーは、メジャーオーケストラに匹敵する厳しいオーディションを経て選考され、全米トップクラスの実力者が揃ったエリート集団である。
海兵隊軍楽隊は、長い歴史に基づく伝統を継承すると共に、管楽器の新しいレパートリーを発展させる先駆者としての役割も果たしている。著名指揮者との共演も多く、2003年創立205周年のケネディ・センターにおける記念コンサートでは、ジョン・ウィリアムズを指揮に迎えた。1998年7月11日、創立200周年を記念してホワイトハウスにて御前上演、ケネディ・センターにてガラコンサートには、当時の大統領ビル・クリントンとヒラリー・クリントンが列席した。同じく記念年には、シンシナティのアメリカクラシック音楽の殿堂に唯一認められたアンサンブルとなった。
多忙なホワイトハウスでの活動のため、長期にわたる海外ツアーは少ないが、2018年の創立 220年を経て、2019年に初の来日ツアーが実現。吹奏楽界のみならず、日本の音楽ファンの大きな注目を集めることは必至。
マサチューセッツ大学、メリーランド大学カレッジパーク校出身。
クラリネットおよび音楽教育(特に指揮法)の学位取得。
1997年 海兵隊に入隊。
2002年 副隊長に就任。
2014年 第 28代隊長に就任。
2017年 大佐に進級。