2005年、人気ピアニスト及川浩治の呼びかけで結成され、室内楽のジャンルに新風を吹き込んだ話題のピアノ・トリオ。及川が尊敬するBEETHOVENの最初の3文字から命名。デビュー公演は満席、急きょ追加公演も行われた。2006年、本格的に活動を開始し全国各地で演奏。「目でも耳でも楽しめるトリオ・パフォーマンス」は熱狂的な支持を得たが、2009年2月にいったん活動休止。復活を求める熱い声に応えて2012年3月にメンバーも新たに再始動した。2015年度はBeeの記念すべき結成10周年であると同時に、及川浩治デビュー20周年のアニバーサリー・イヤーにあたる。
■及川 浩治(ピアノ)
1984年ヴィオッティ・ヴァルセイジア国際音楽コンクールで第1位受賞。1987年にアレクシス・ワイセンベルクの公開セミナーに参加し、ワイセンベルク本人の意向により特に設けられた最優秀特別賞を受賞し練習用のグランドピアノを授与された。1990年、マルサラ国際音楽コンクール第1位、ショパン国際ピアノ・コンクール最優秀演奏賞(Honourable mention)を受賞。1999年のショパン没後150年には「ショパンの旅」と題したコンサート・ツアーを行ない全国で3万5千人をも動員するショパン・イヤー最大規模のイベントとなった。2008年~2011年には東京・大阪での同時プロジェクト「及川浩治10大協奏曲シリーズ」に取り組むなど、人気・実力ともに日本を代表するピアニストである。ダイナミックな中に繊細さを併せ持ち、内面にダイレクトに訴えかける演奏は多
くの絶賛の声とともに幅広い層の共感を得ている。これまでに12枚のCDをリリース、海外オーケストラとも数多く共演している。
■石田泰尚(ヴァイオリン)
神奈川県出身。国立音楽大学を首席で卒業、同時に矢田部賞受賞。新星日本交響楽団コンサートマスターを経て、2001年より神奈川フィルハーモニー管弦楽団ソロ・コンサートマスターに就任。以来“神奈川フィルの顔”として現在までその重責を担っている。これまでに神奈川フィル定期で多くの協奏曲を演奏し、プログラム後半でもコンサートマスターを務め称賛の声が多く寄せられた。2008年には神奈川文化賞未来賞、2012年には横浜文化賞文化・芸術奨励賞を受賞した。ソロリサイタル,オーケストラとの共演以外にも“トリオ・リベルタ”“Bee”“Super Trio 3°C”などのユニットに参加。ソロ活動に関してもバロックから近現代までの幅広いレパートリーを持ち、近年ではクラシックの枠を越えての活躍も目覚ましく、全国でコンサートを展開している。2014年には自身が主宰となり男性ばかりの弦楽合奏団“石田組”の活動を本格的に始動させ、今後の活躍がますます期待される。使用楽器は1690年製Tononi。
■辻本 玲(チェロ)
東京藝術大学音楽学部器楽科を首席で卒業。その後シベリウス・アカデミー(フィンランド)、ベルン芸術大学(スイス)に留学し卒業。第72回日本音楽コンクール第2位(「聴衆賞」受賞)。2007年度青山音楽賞新人賞受賞。2009年ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール第3位入賞(日本人最高位)。2011年に東京サントリーホール、兵庫県立芸術文化センターなど5大都市でデビュー・リサイタルを開催。2013年トッパンホールでのリサイタルは読売新聞の演奏会評にて「質実剛健な音、得難い逸材」と絶賛され、秋には「第12回齋藤秀雄メモリアル基金賞」を受賞。毎年夏にサイトウ・キネン・オーケストラ、アルカス佐世保のレジデンス・カルテットに参加、チェロ四重奏団「クァルテット・エクスプローチェ」ほか室内楽でも活動。2015年6月からは日本フィルハーモニー交響楽団「ソロ・チェロ奏者」に就任。使用楽器は、NPO法人イエロー・エンジェルより1724年製作のアントニオ・ストラディヴァリウスを貸与されている。